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With コロナ時代の地域の広報・プロモーション考える(2)東京都板橋区

更新日:6月7日

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〜With コロナ時代の、様々な地域の広報・プロモーションをどう考えるか(2)〜

板橋区 ブランド戦略担当課長小熊様、広聴広報課町田様

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「With コロナ時代の、様々な地域の広報・プロモーションをどう考えるか」

第2弾は東京都板橋区 ブランド戦略担当課長小熊さん、広聴広報課町田さんに取材させていただきました。

【概要】FacebookやTwitterといったSNSアカウントを開設する自治体は多いが、戦略的に活用できているところはまだ少ない。

子育て世代をターゲットに、Instagramを活用したプロモーションを行う東京都板橋区。

その戦略と背景を聞きました。



編集部:コロナ禍ということで、このタイミングで他の自治体も、非接触型のコミュニケーションである「SNS広報」に対して関心を持ち始めていると感じます。

このような状況を受けて、まずはブランド戦略の観点から「板橋区のSNSそのものの位置付け・運用方針」について、お伺いできればと思います。

板橋区:SNSの中でも特に、2020年2月に開設したInstagramの運用についてお話ししたいと思います。

まず区としてシティプロモーション戦略ということで、若い世代にフォーカスしていきたいという想いがありました。

そこで「板橋に住み続けたい」と思ってもらえるような区の魅力を、SNSを運用することで発信したいと考え、今まさに発信を強化しています。

編集部.ファミリーやF1(20代後半から30代)層などのお子様がまだ幼少期・小学校であることが多い子育て世代にフォーカスをした背景は?

板橋区:区では広報誌、Webなどで情報を発信していますが若い世代に、より効果的、効率的に届ける必要を感じています。

そこで直接的に区の魅力を発信するための手段の一つとして、現在SNSを運用しています。

編集部.: Instagramのアカウント開設をした1番のきっかけは何だったのでしょうか?

板橋区:ホームページのリニューアルがきっかけでした。

リニューアルの際にInstagramで板橋区について投稿をすると区のホームページに投稿内容が掲載される機能を追加しました。

具体的には、一般の方が特定のハッシュタグをつけると、区の飲食店の写真などが表示されます。

他にも「家庭菜園をやっていますよ」などの区の魅力的な写真をInstagramで投稿していただくと、反映できます。

編集部.:リニューアルは区民の方々と情報の交流をすることで、ホームページの活性化を図るためという意味合いもあるのでしょうか?

板橋区:双方向のコミュニケーションを大切にしながら、魅力発信を展開していくことを意識していたので、まさにその通りです。

編集部.:全国の自治体を見渡しても、「情報発信」はしているが、「双方向の受発信」しているところで少ないという感覚を持っています。

その中で板橋区は身近なところから双方向で情報受発信を行っていることについては、貴重な存在だと思います。

さて、自分自身が区民として必要な行政手続きを行う以外に、情報入手先として行政のホームページを見ることは一般的になかなかないですよね。

非常時・災害時にSNSを含めて小さくても何かしらの情報の交流があれば、非常時のコミュニケーションのツールになると思うのですが、板橋区では、ホームページに一般の方のInstagramの投稿を載せることで、具体的にどのような効果を期待されていますか?

板橋区: 私たちは行政として「区の魅力はこれだ」と思うものはありますが、一般の方のSNS投稿を通せば、区民目線の意外な発見があることがわかりました。

区としても「ここが魅力だと思ってもらえているのだな」と勉強になります。

また、私たちだけで一方通行の発信をしても、なかなか機運が盛り上がらないとも思っています。だからこそ、ぜひ皆様に投稿をしていただきたいですね。

シティプロモーションでは、広報について「関係をつくる広報」という呼び方をしています。

いわゆる魅力を伝える・伝わるという意味でも、区と区民の方々の良い関係性が大切だという視点があります。

そういった点からも、Instagramについては“投稿していただく”と“こちらから投稿する”という両方を取り入れることで、良い関係性を作れるように努めています。

編集部.:区民の声や意見(発信)を受け止めるのを怖がっている、という言い方は変ですが、そのように感じている他の自治体もある気がしますね。

今のお話にあった「関係をつくる広報」は、地域の方々はみんなステークホルダーだということで、やっているんだなと思いました。

「関係をつくる広報」って、キャッチフレーズが分かりやすくて、とてもいいですね。

「広報のデジタル化をどう展開していくのか」について、SNSに限らず非接触型の様々な情報伝達手段作りが必要になってくると思います。

ブランデイングの観点などから、具体的にどのようなことが必要だと思われますか?

板橋区:私たちの区では来年度から実施される「いたばし№1実現プラン2025」において重点戦略の中の1つに「DX(デジタル・トランスフォメーション)の推進」を盛り込みました。

広聴広報課では、ICTツールであるホームページ・SNSなどの展開を考えていくこととなります。

ただし、一方で“デジタルデバイド”の課題もあります。区の広報ツールとして、全戸に配布している「いたばしくらしガイド」という、区の基本的な行政情報を掲載した冊子があります。

「いたばしくらしガイド」は最新情報、詳細情報を二次元コードなどでホームページにつなげるようにしています。

また、そういった紙媒体を非常に重要視されている方もいらっしゃいますので「デジタルと紙媒体をどのように使い分けて届けるのか」についても課題だと感じています。

編集部:紙媒体は一覧性・利便性・携帯性もありますので、紙の方が便利な点から、必ず一定程度残りますよね。

他の自治体でも、DX改革への動きは感じていらっしゃるようですが、「コミュニケーションそのものをオンラインでするのにも未だにハードルが高いこと」「ネット上で炎上した際に対処しきれる人がいない」といった不安があるため、どちらかと言えば十分に対応しきれていないのが現状と思います。

「これから広報を含め、デジタル化をどう推進していけばいいか」と考えている自治体に向けて、具体的なアドバイスなどがあれば、お尋ねしたいと思います。

板橋区:私たちもまさに「これから」という所ではあります。

ただ、きっかけとして、デジタル化の推進という大きな流れがあります。

その手段の一つとしてSNSの広報があり「そもそもSNSを運用する目的は何なのか」「どの層に向けて発信をしなければならないか」、私たちで言えば“定住化”という目的を果たすために、どのような魅力のある情報を発信する必要があるか、について組み立てて考え、周りの理解を得ることが重要だと考えています。

また、研修でも(講師が)ペルソナの設定について言及されていますが、行政の広報で優先される“広く”という視点とは別の視点で、“届く”ターゲット・ぺルソナ設定が今後は求められていくと思います。

その点については“広く”と“届くように絞って”という視点を融合させていけるようにしていきたいと思います。

現在のシティプロモーション戦略自体は平成27年3月に作成しており、その時にターゲット層として30歳から44歳女性を設定しました。

これは区が行った調査で、30歳から44歳女性は「区に対する愛着・誇り」が低いと分かったためです。

区政は当然「広く」ということもありますが、同時に情勢の変化からもターゲットを絞ることに対しては、広くご説明し、理解をいただいている状況です。

編集部.: “広く”から“届ける”という変化ですよね。

公平性と同時に、ある一定のターゲットにしっかりと届いているかというKPIが大事だと分かりました。

ところで、今回のSNS活用研修を受講されたご感想はいかがでしょうか?

板橋区:「どういった形でSNSの運用をすれば、声がしっかりと届くのかについて、理解することができた」というのが、率直な感想です。

具体的にペルソナのお話や、どういった投稿がヒットしやすいのかについて詳細に説明があったので、自治体の発信だと弱くなる・意識できない部分を明確に知ることができました。

これからはこの「コツのようなもの」を、噛み砕いて運用していく必要があると思います。

編集部:ところでコロナ渦にあって、今回研修を企画し開催された背景は?

板橋区:背景として板橋区役所全体がコロナ禍において通常行っているイベントや講座が対面形式でできない状況がありました。

その中でも区民へ情報を発信したいという想いがあることを各部署からお聞きして、今回研修を企画しました。

実際、参加理由を確認しても、対面型の研修ができないことから、SNSを使った非接触型コミュニケーションで解決しようとするなど、具体的な課題に対して解決するために必要なノウハウを学ぶために参加した、という声が大きかったです。

今回については、私たちについては特に特別な投げかけをしたわけではなく、各担当が個々の課題を明確に持って参加していたと思います。

編集部:今回“広報”に特化し、写真と文章の組み合わせでやらせていただきましたが、「動画も発信手段としてやっていきたい」と言う自治体も多くなっている実感があります。板橋区ではいかがですか?

板橋区:現状、コロナの影響で「動画を撮りたい」という庁内の意見が確かに増えていますね。

YouTubeで配信したケースもありますが、「映像をどう撮ればいいのか」といった問い合わせを各課からいただいています。

つまり、動画で何かを伝えることについての関心は高まっていると思います。

クオリティについては作成者によって差があるので、どのようにアップさせるかは課題だと思っております。

編集部:様々な質問にご丁寧に回答いただきありがとうございました!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ PPEye(Public Partnership EYE)~行政協働の視点から ■板橋区へのインタビューを終えて シティプロモーションや地域ブランド化といった取り組みは、地方都市が先行し、都心に近づくにしたがって後発する傾向にあった。職住が複数の自治体にまたがる都心部では、アイデンティティの形成に工夫がいる。 そうした中、板橋区がシティプロモーションに取り組み始めたのは、23区では比較的早い時期だった記憶がある。 もともと昭和22年(1947年)の練馬区分離までは特別区最大の面積の中に、中山道・板橋宿と広大な田園・農村地帯、都内有数の工業地域が併存し、さまざまな層の人々が共存していることが背景にあるのかもしれない。 またその人々の暮らしを支える庶民的な商店街が数多く存在していることも、板橋区の印象的な光景になっている。住む人にやさしい街だから、国内外の多くの人が集まって来る。 板橋区は暮らしのガイドの官民協働への取り組みも早く、現在、SNSの活用にも意欲的だ。地域の多様さへ向き合っている区の誠実さ、真面目さを感じるインタビューだった。 公共広報コミュニケーション研究会 主任研究員 佐藤幸俊

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■□─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━──━─━─□■ 公共広報コミュニケーション研究会 SNS広報分科会主催

SNSでの情報発信技法』無料オンラインセミナー」のご案内 当研究会では、SNSで情報受発信するスキルアップ研修を多くの自治体で実施して参りました。そこで、以下の日程で日頃よりSNSをご担当されている職員の方向けに無料のオンラインセミナーを提供いたします。

◎◎詳細◎◎ 日時:2021年3月19日(金) 17時30分〜18時 テーマ:Withコロナ時代のSNSコミュニケーション術 総合基礎編(ダイジェスト版) 講師:原口綾乃(株式会社チーム・エムツーSNS活用コンサルタント) 項目:国内主要SNSのデータと特徴の紹介 Facebook / Twitter / Instagram の投稿の特徴とK P I設定について

[参加申し込み方法] ★以下の空欄に記載の上、このメルマガに返信ください。 参加者名: 自治体名: 所属部署名: ご連絡先(メールまたはお電話):

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