こんにちは!Omiです。
年の瀬が近づいてまいりましたね。本当に一年があっという間です。
配信の繁忙期もひと段落し、少し落ち着いてきましたので、久しぶりにブログを更新したいと思います。
今回は、**ハイブリッド配信に欠かせない音声技術「N-1(マイナスワン)」**について解説します。
N-1は、ハイブリッド配信で起こりがちなハウリングや音声の二重聞こえといったトラブルを防ぐために、重要な技術です。
ハイブリッド配信における音声のやり取り
ハイブリッド配信では、会場参加者とオンライン参加者の双方に、適切に音声を届ける必要があります。
具体的には、次のような音声の流れが求められます。
・会場参加者
→会場のマイク音声
→オンライン中継参加の方の音声
・中継参加者
→会場マイクの音声
この音声設計がうまくいっていないと、さまざまなトラブルが発生します。
よくあるトラブルとして、
1. オンライン参加者の音声が二重になって、オンライン参加者に聞こえてしまう
2. 音声がループしてハウリングが発生する
などがあります。
そこで重要になるのが、**N-1(マイナスワン)**という考え方です。
N-1(マイナスワン)とは?
N-1とは、
複数ある音源(N個)の中から、特定の音だけを出力に含めないようにする仕組みのことです。わかりやすくいうと特定の音の出力に特定の音だけを出さない設定です。例えば、ある出力先に対して、その出力先自身のマイク音声を除外する。
これがN-1の基本的な考え方になります。

上の図ですと出力2に対してマイク2をN-1していることとなります。
ハイブリッド配信で、機材をそのまま接続してしまうとどうなるでしょうか。この場合、オンライン参加者の発言が会場のミキサーを通り、再びオンライン側に返ってきてしまいます。つまり、少し遅れた自分の声を聞きながら話す状態になってしまうのです。これ、かなり話しづらいですよね。

ここで、オンラインミーティング用の音声に対してN-1処理を行うと、オンライン参加者には「会場の音声だけ」が送られ、自分の声は返ってこなくなります。その結果、スムーズな会話が可能になります。

補足として、起こりがちなトラブルについても触れておきます。ハウリングの主な原因は、音声が音響システム内でループしてしまうことです。例えば、誤った配線を行ってしまうと、音声が「出力 → 入力 → 出力 → 入力…」とぐるぐる回り続け、ハウリングが発生します。

また、オンライン参加者が、
-
反響しやすい部屋
-
イヤホンを使わず
-
PCのスピーカーから音を出している
といった場合、会場から送られた音声が部屋で反響し、それが再びマイクに入り、会場へ戻ってしまうこともあります。これも、音声トラブルの原因のひとつです。

まとめ
ハイブリッド配信は、現在さまざまな企業や団体で活用されています。N-1が可能な音響機材は、「たまに使うだけだと購入するには高価」というケースも多いですが、
- 小型の音響機器を複数組み合わせる
- 物理的に音声経路を分ける
といった方法で、工夫して解決することも可能です。

また、このN-1の考え方は、同時に複数の配信を行う場合などにも幅広く応用できる技術です。気になった方は、ぜひ参考にしてみてください。それでは、少し早いですが、良いお年を!
Omi
M2のおっちょこ君。いつもGuchiに良いように遊ばれている。体当たりでなんでも挑戦してみる性格。ちょっと天然。

